長期でじっくり

医療法では、病床には、特定の病気の人のための1.精神病床、2.感染病床3.結核病床と、それ以外の患者のための4.療養病床、5.一般病床に分かれています。
療養型病院の特徴は、医療法によって慢性的疾患の患者を対象としていて、急性疾患の患者との区別があります。入院期間の長さとか、全身管理の必要性の有無とかの違いもあります。一般病床は、入院期間も短期で、手術などで全身管理が必要とされている人が多いのですが、療養型病床は急性期を過ぎた、比較的に病状が安定していつけれども、治癒はしていない状態の人が治療や加療をしている場合が多いです。入院期間も1年以上の長期にわたる場合があります。
療養病床は、基本的には病状が落ち着いている患者の入院になっていますので、スタッフの配置も少なく、一般病床では患者16人に対して医師が1人、
看護師が患者3人に対して1人という義務付けがされているのに対して、療養病床では、患者が48人に対して医師が1人、看護師は、患者4人に1人の配置が決められています。
設備の点でも、一般病床は病気の発見や診断、治療のための医療機器が揃っていますが、療養病床では、療養に必要な医療機器だけですので、利用できる空間が広く、その分談話室などの設備があり、病室も広くとられていて、長期療養に備えているといえます。
療養型の病院の看護師の仕事という面では、病状は安定していて、治癒に時間がかかる人が多い状態なので、医師に対しての医療補助は少なく、介護に関わる仕事が多くなります。
患者の一人ひとりとの向き合いは長く、深くなるので、看護の点ではじっくり付き合うことができます。慢性期なので病状が安定しているため、雰囲気もゆったりしていますので、
復職の人が取り組む仕事としても最適のようです。
友人に療養型病院に勤めている人がいるのですが、彼女がいつも言っていることに「自分がそうなったら、自分の身内がそういうことになったら、と思うとついついやり過ぎてしまって、上司から苦情がでてしまう」と。大勢の人の看護をするには、多少は効率も考えないとうまく回らない、と最近は少し考えるようになったのですが、現実は厳しいとも言っています。
また別な友人は、「人にやさしく、自分にも優しく」と言って仕事を楽しくやることに決めたとも。
療養型病院でも、医療保険適応の病院と、介護保険適応の病院があります。医療保険適応の方は、スタッフが少なくかなり重労働があると聞きますが、介護保険適応のところは、ゆうたりしているようです。